• HOME
  • magazine
  • MBA
  • TBSドラマ、下町ロケット観てれば中小企業の製造業がわかる、としよう。

TBSドラマ、下町ロケット観てれば中小企業の製造業がわかる、としよう。

こんにちは、Taiki Suzukiです(@Taiki__Suzuki)。公務員時代に中小企業診断士になることを志し、決算書を全く読んだことのない状態から学習し始めました。正直、経営戦略やマーケティング、財務分析に関してはテキストを読んでいれば、それなりに知識が定着します。1番なのは、実践として経験することですが。

公務員として、役所の中に引きこもりがちの業務ばかりだった自分。それは、外の世界を知らずに生きてきたということでもあります。だからこそ、行政だけではなく民間のことを知らなければ、公務員として真の地域貢献ができないとも思っていました。

だからこそ、公務員では体験できないビジネス感覚を身につけたい、民間企業や自営業者のようにお金を稼ぐとは何かを知りたいと思い、中小企業診断士になろうと決意したのです。結果的に転職しましたが。

中小企業診断士を目指すにあたって、最も苦労したのが製造業を知るということです。自分は大学時代、法学部。バリバリの文系。そんな自分が製造業を知り、おまけにその企業の強みや弱点を探った上で、課題の抽出、解決策の提案などコンサルティングをやる。こんなことが可能なのか、と思っていました。ましてや公務員だぞ?

大学院を卒業した後、ふとAmazonプライムを眺めていたんですが、製造業を知るためにちょうどいいドラマがありました。

それは、「下町ロケット」。

TBS系で放送されていた阿部寛さんが主演のドラマです。TBS系の社会派ドラマといえば、堺雅人さん主演の「半沢直樹」が人気ですよね。下町ロケットも半沢直樹も池井戸潤さんが原作を書かれています。池井戸潤さんは間違い無いですね。

下町ロケットの簡単な粗筋ですが、東京都大田区にある従業員200名の製造業である「佃製作所」は競合企業よりはもちろん、大企業である帝国重工さえも凌ぐ技術力を持つものの、競合企業による特許訴訟や妨害などに遭いながら、社員一丸となって事態を打破していく。会社の中心にいるのが阿部寛さん演じる社長であり、役員や従業員を鼓舞し、高い技術を武器に宇宙技術や農業分野にまで進出を果たす。といった本当に雑駁な説明。社長の娘は土屋太鳳さん。登場人物は皆キャラが濃い。

社長や社員の熱いセリフに感情が高ぶるので普通のドラマとして観ても面白いのですが、中小企業の製造業を知ると言う観点で見ると違った楽しみ方ができます。

下町ロケットが製造業の理解に役立つ理由

以下主観なんですが、下町ロケットがなんで役立つかと思ったかと言うと、まずは「セリフ」ですね。セリフの中に中小企業診断士を取得するために製造業を理解を促すキーワードがある。

例えば、「リバースエンジニアリング」。これは、競合企業の技術や強み、そして自社の特許侵害がないかを探るために、製品を買って一つ一つの部品に至るまで分解、分析を行うことです。リバースエンジニアリングは本番のテストに出てきたかは覚えてないけどテキストには出てきたよ。

ドラマでは、リバースエンジニアリングに関連してさらに特許訴訟という事態も発展。佃製作所と「当初は」友好的だった企業が被告となってしまったのです。その訴訟に協力する形で顧問弁護士を紹介して、その弁護士が提案したのは「クロスライセンス契約」。

クロスライセンス契約とは、競合企業の特許を自社が使用する代わりに自社企業の特許を利用してもいいですよといういわば「Give and Take」みたいなもんです。

そこで、佃製作所は訴えられた企業とともに、原告が製造した製品に特許侵害がないか分解して調べていくのです。

これらのことはテキストを読むだけではなかなかわからない、イメージが沸きにくいです。むしろ、テキストを読んだ後に、下町ロケットのこの場面を観ることで、文章で読んだことを画像として認識することが可能となり、「あ、これ進研ゼミでやったことある!!」的な感覚になるはずです。

特許というのは大企業が持っているイメージがある方もいるはずですが、実際は中小企業の特許数は「中小企業白書 2019 付属統計資料」によれば、約38,000件にも登ります(内国人の特許出願件数は約254,000件)。中小企業が全体に占める比率は14.9%です。

この14.9という中小企業は企業全体の約99%を占めることを考えると、多いとはいえない数字ですが、大企業に比較して資金力に乏しく研究開発に投資しにくい中小企業が特許を取得するハードルが高いことを考えると、個人的には素晴らしい数字だと思います。同時によく言う日本の中小企業の技術力の高さを研究開発とリンクさせることで、さらなる技術力の発展と特許出願、さらには中小企業の成長と国際競争力の向上を実現すべきとも思います。簡単に言うなよという話ですが。

下町ロケットでは佃製作所に友好的だった企業を訴えた原告側の弁護士は、悪徳そのものとして描かれています。中小企業には支払えない和解金額を提示して資金繰りを行き詰まらせることで倒産を目論む。

これは、特許は一攫千金のビジネスだと言うこともできます。中小企業診断士試験では経営法務で特許や商標、実用新案権などを学習します。私は法学部出ておきながら、そして公務員として憲法、民法、行政法を学んでおきながら、経営法務は苦手でした。下町ロケット見てたら変わったかな。

下町ロケットでは部品が完成すると、必ず「検査」するんですね。確かにそりゃそうですよね。

作中、ロケット開発に関して、元請けかつ大企業である帝国重工に納品する部品を自社内で検査する場面が何度も出てきます。佃製作所が作る部品は主に耐久性テストを行なっていましたが、なかなか耐久性を満たすことができないんです。そこで、社員が何度も「部品の接続方法を変えてみよう」とか「材質を変えてみよう」などなど試行錯誤をしてまた検査。ダメだったので、また検査。その繰り返し。

そして、ドラマのクライマックスでは部品は耐久性基準を満たし、社員全員両手を上げて喜ぶ的な感動ストーリー。

中小企業は部品を作るための機械だけではなく、完成した部品の検査機も必要となります。製造業の機械装置費がいかに大きなコストとなるかも、下町ロケットを見てて感じました。

そして、中小企業製造業あるあるなんですが、阿部寛さん演じる社長が、父から引き継いだ2代目であること。これは結構あるある。製造業の場合、事業承継が起きた場合、大抵事業を引き継ぐのは息子です。そして中小企業の息子は早慶が多い。そして早慶を出た息子は、ほぼ大企業である商社か製造、メガバンクに入って中小企業よりも大きな世界を体験して数年経ったら父の会社を引き継ぐ、というのが王道です。

まさに下町ロケットの社長も慶應の理工出身。社長の一人娘も慶應卒、そして帝国重工入社。エリートじゃん。

ある意味、下町ロケットはちゃんと中小企業のリアルを下調べしてドラマを描いているのでさすがだなぁと思いました。

リアルで言えば、佃製作所の建物の古さも。別にオンボロではないのですが、昭和に建てられた築何十年のデザイン的に特になんの特徴もない感じ。語彙力がなくてなかなか自分では伝えられないですが、見ればわかります。

宣伝になっちゃいましたが、本当に下町ロケットを見てると、ある程度日本の中小企業の製造業のリアルが伝わってきます。そして、資金力や従業員数規模の小さな企業が大企業を技術力と知恵で打ち負かす。まさに日本人大好きな話です。Amazonプライムであれば、観れますので、暇な時はご覧ください。

関連記事一覧