山形市の中心部、七日町の活性化に必要なエンターテイメント

山形県山形市の中心市街地と言えば、七日町です。つい先日倒産した百貨店、大沼があったのも七日町です。

七日町ではありませんが、少し歩けば老舗書店であり市民の本屋として親しまれている八文字屋、ふうき豆で有名な山田屋スキージャンプで世界一に何度も輝いている高梨沙羅さんが徹子の部屋で紹介したどら焼き、榮玉堂、無印良品が入居するアズなど七日町を中心として山形市の中心部は形成されています。

しかし、現状七日町は活気のない状態が、続いています。要因としては山形市郊外や北に位置する天童市のイオンモールの進出により、買い物客が七日町に来なくなっていることが挙げられます。さらに、百貨店の大沼の倒産により七日町の衰退に拍車がかかっています。以前は大沼以外にも松坂屋やセブンプラザ、ジャスコ、デンコードーなど大型の小売店が軒を連ねていた時代もあったものの、人口減少により徐々に撤退しました。

山形には「シネマ通り」というストリートが名付けられるほど映画館が集積していたエリアも一時期ありましたが、結局それも人口減少や郊外型の街が形成されたことによって、消滅しました。

そこで、七日町を活性化するに求められていることは何かを考えました。必要なことは、人を惹きつけるコンテンツであることは間違いありません。それでは山形の人達を惹きつけるとはどのようなコンテンツでしょうか。

基本に立ち返って考えてみると、客が欲しいモノやサービスを販売することが重要であり、仙台市や天童市、amazonや楽天などの競合地域や企業には販売していないモノやサービスをそろえることであると言えます。また、近隣の競合地域にはあって、現状七日町にはないモノやサービスを販売することで、競合の差別化要素を消失させることも有効です。

それでは、山形市や近隣地域にも七日町にもないモノやサービスとは何か(差別化要素)、山形市郊外や近隣地域にはあるけれど七日町にはないモノやサービスとは何か(競合の差別化を消失させる要素)を挙げて、七日町の活性化に求められるコンテンツを考えてみましょう。

スターバックス
明治通り沿いのスタバを撮影

スターバックスと言えば、全国でブランド力のあるカフェとして知られています。山形県内にも県庁所在地である山形市だけではなく、天童市、米沢市、酒田市、鶴岡市にあります。山形市内には山形駅直結のエスパル内、幹線道路沿い、中央病院内にあります。しかし、現状七日町にはありません。七日町にはタリーズ、マック(コーヒーが飲めるとして)、そして山形駅方面に歩いていくと御殿堰という再開発された小規模な小売店や飲食店を集めたエリアがあり、そこに「classic cafe」という地元経営のカフェもあります。

一見、人通りの少なくなった通りには十分なほどコーヒーが飲める場所が多々あるように思えます。しかし、ここで敢えてスタバが必要だと提言したいと思います。秋田市、盛岡市、福島市といった比較的山形市と同じ人口規模、人口密度の東北の街と、少し人口の多い新潟市のスタバがどこにあるか調べてみると、その街の中心部にあることがわかります。以下の表の通りです。

中心市街地名
秋田市中通
盛岡市
福島市
新潟市万代

スタバが地域の中心部にあることのメリットは何でしょうか。

基本、東京は特にスタバは朝から晩まで激混みです。渋谷区のようにスタバからスタバまで走って1分と言っても過言ではないくらいスタバだらけの街でもどこのスタバも謎なくらい大抵混んでます。ちなみに渋谷駅から渋谷区役所まで徒歩10分の間に3つのスタバがあります。

渋谷や新宿のように大きなターミナル駅を抱える街は、人が集まるからスタバにも人が来る、確かにそれは間違いありません。スタバ目的で街に行くのではなく、買い物や映画館に来たついでにスタバに寄るんだと。しかしながら、東京の人気エリアには必ず存在するのがスタバであり、スタバが人気のコンテンツを集める「誘引要素」になっていることも否めません。七日町が再度山形で人気のエリアになるためにはスタバは必要なのです。

スタバのロゴを店外から撮影
ポケモンセンターやNintendo SHOP

渋谷パルコが2019年11月にリニューアルして、新たな店舗も増えました。リニューアルした目玉として登場したのが、Nintendo Tokyoとポケモンセンターです。オープン当初は入場制限を余儀なくされるほどの混雑ぶりでした。実際に店舗に行ってみると、まだまだ客でごった返していて、歩く隙もないくらいの盛況ぶり。日本人だけではなく、外国人観光客も多く、任天堂の世界的人気の高さを思わせる光景でした。

渋谷パルコのホームページによると、

「Nintendo TOKYO」は、国内初となる任天堂の直営オフィシャルショップ

とあるように日本で唯一存在する任天堂の公式の店舗であり、都民だけではなく日本全国の観光客が、そして渋谷に遊びに来たインバウンド観光客を誘引しているのです。これを踏まえると、七日町に必要なのは山形唯一、さらには東北初や全国初、全国「初」まで行かなくても「東京や大阪にしかないものが山形に!」ようなコンテンツ作りが必要であると思います。実際にNintendo Tokyoのような、日本だけでなく世界の観光客を巻き込むコンテンツを生み出す、招致するのは難しいと思いますが、地方の中心部が活性化を実現するには、他地域にはないようなサービスはやはり必要であることには変わりはなく、 実現は簡単ではないですが、小規模でも良いので招致できたら大きな強みになるはずです。

ビームスやユナイテッドアローズなど
渋谷のユナイテッドアローズの外観

ここからは流行に敏感な若者、それは山形に少なくなりつつある人たちに焦点を当てていこうと思います。
100万人都市の仙台、80万人の新潟、46万人の金沢にだってビームスがあります。そこで人口25万人の山形にだってビームスがあっても良いじゃないかと思うのです。

いや、無理だろとかツッコミ受けそうですが。

事実、山形は仙台市と接しているため、仙台駅まで一時間もあれば着きます。山形にないものがあっても仙台に行けば買いに行けるというのが現状なのです。仙台に近いという利便性が七日町の衰退につながっている部分があることを考えると、やはり山形にもビームスやアローズのような若者を惹きつけるセレクトショップは必要であると思われます。以前、私は大沼の倒産の記事を書いた際に、大沼は総花的にターゲットを定める百貨店経営ではなく、特定の層、それは若者、高齢者、子育て世代、観光客のどれかに絞ってサービスを提供すべきだと書きました。それと同じように、七日町全体でも総花的にサービスを提供している現状を脱却して、若者だけ、もしくは観光客だけなど、サービスの対象者を限定する必要があります。その理由としては東京や仙台のようにあらゆる年齢やライフスタイルなどの価値観がいる人口規模が山形にはないためです。山形はごく少数の人数に深いサービスを提供することが活性化の近道になると思われます。

独立したカフェやアパレル店
渋谷のFREEMAN CAFEを店外から撮影

スタバやビームス等とも大きな関係があるのですが、そして何度も繰り返し記載していることなのですが、他都市や地域との差別化のためには、独自性が必要です。そんなことはわかっているという意見もあると思いますが、敢えてここで提言を。全国資本ではないカフェやアパレル店を山形の七日町で生み出すことで街が活性化します。

スタバも誘致して、個人経営の独立系カフェが太刀打ちできるわけないだろ。そう思われるかもしれませんが、スタバと独立系カフェは決して競合ではなく地域活性化のための仲間なのです。確かに「競合ではない」は語弊があり、より正確に言えば両者は、「競合でありながらも共に成長し続ける存在」なのです。つまり、スタバに来た客が偶然目についた独立系カフェに立ち寄る。これがあり得るのです。また、経営者の立場から考えてみると、「スタバがある地域ってことは、ある程度カフェに関心のある層が来るエリアだ」とみなすことができ、カフェの創業や誘致を促すことができます。アパレルも同様です。これによって、カフェやアパレルが次第に増加する状態、エコシステムが存在する状態が生まれます。そして、他に地域には類を見ないほどのカフェやアパレル店の増加により、カフェやアパレル店が多くある街としての差別化が可能になるのです。

最後はやっぱり「アレ」

最後に提言したいのはやはりApple Storeです。

アップルストア渋谷を外から撮影

現状、東京の渋谷や表参道、銀座、丸の内、新宿、神奈川の川崎や名古屋、大阪、京都、福岡など人口100万人を超える大都市にしかないのが現状ですが、仙台にもありません。正確に言うと2019年1月に無くなったのですが。仙台にないことを踏まえると、山形にはチャンスです。山形に誘致すれば、仙台にはない独自のまちづくりを行える機運が一気に高まります。

さらに、Appleは最近、健康事業に進出を伺っており、山形市では少子高齢化を現状を踏まえて、「世界に誇る健康・安心の街として健康医療先進都市」の実現を目指しているため、Appleとの連携も考えられます。このように山形市とAppleの意向は合致するため、可能性はゼロではないと言えます。

Appleやスタバなどを誘致することによって以前のように多くの人で賑わう七日町の姿を取り戻してほしいと切に願っております。

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