アクセラレーターって何?スタートアップを生み出すキーマン

こんにちは、鈴木(@Taiki__Suzuki)です。weworkのイベントに参加して、参加者のレベルの高さに食傷気味ですが、この経験を成長の糧にしたいと感じた次第です。

最近、神戸のスタートアップ・エコシステム創出の取り組みについて、記載しました。

神戸市がスタートアップ・エコシステムを創出するにあたり、まず取り掛かったのが、スタートアップの創出を支える「アクセラレーター」の誘致でした。アメリカのシリコンバレーで数々のスタートアップ企業を創出した実績を生み出し、神戸に進出してきたアクセラレーターである500 Startupsが神戸市役所とタッグを組み、神戸発のスタートアップ企業の創出に尽力しています。

しかしながら、スタートアップにアクセラレーターは必要な存在であることはわかっていてもいまいちアクセラレーターを理解できていない人は多いと思います。そこで、今回はアクセラレーターをできるだけ、本当にできるだけですが解説したいと思います。

アクセラレーターの定義

MBAを運営している大学やコンサルティング会社などが説明してもいいようなものですが、アクセラレーターの定義をネットで調べてもなかなか大手のメディアは定義を書いていません。

岸本 千佳司(2018)は、「シリコンバレーのベンチャーエコシステムの発展:「システム」としての体系的理解を目指して」でアクセラレーターを次のように説明している。

アクセラレータは、広義には VC の一種ともいえるが、通常その出資額は 2 万~5 万ドルと少額で株式所有も数%にとどめる。しかし独自の支援プログラムを持ち、短期間(数週間~半年程度)集中的に指導や訓練を行い、最終的には「デモ・デイ」(Demo Day)と呼ば れるイベントで投資家を前にプレゼンを行わせ追加出資を募る。

さらに、

アクセラレータにはメンターが名を連ね、起業家に包括的なアドバイスを与え、より市場ニーズに合った完成度の高いビジネスモデルへと迅速に磨き上げる。メンターとは、起業成功者や現役経営者を中 心に特定領域における知識・スキル・人脈を豊富に持ち、起業家に指導・助言する人物である。インキュベータと異なり、必ずしも物理的なオフィス・作業空間の提供は伴わない。

上記を踏まえると、VC(ベンチャーキャピタル)とは厳密な定義上違うようです。また、将来性を見込んで投資のみを行うVCとは異なり、「独自の支援プログラム」にて起業の方向性を形作る点でVCよりも経営の関与度は高いと言えます。では、独自の支援プログラムを持つという点でコンサルタントと似ていると思われますが、コンサルタントとの違いはなんでしょうか。

コンサルタントとの違い

アクセラレーターとコンサルタントの違いですが、スタートアップ希望者に対する関与度の強弱にあると言えます。コンサルタントは、スタートアップ希望者とどこか場所を設けて面会、事業計画をヒアリングしてアドバイスを行い、後日再度面会して、スタートアップ希望者が練り直したアイディアに対して再度助言を行い、創業やエグジットにありつく、といった流れです。

一方のアクセラレーターのスタートアップサポートは、「短期間(数週間~半年程度)集中的に指導や訓練を行い」とあるように、一定期間毎日顔を合わせ事業計画を共に考え、練り直します。そして、サポート期間を終え、VCから必要資金を満たすための投資を受け創業やエグジットにありつく、といった流れです。

スタートアップを希望するものであれば、誰でも指導や訓練を受けられるわけではなく、厳しい、厳しすぎる審査を突破した希望者のみがアクセラレーションを受けられます。例えば新たな市場を作るアイディアか、VCから多額の投資を受けて多額の利益を生み出せるか、希望者の経営スキル、コミュニケーション能力、財務計画など多様な面から判断します。審査の通過率は一概には言えませんが、応募を受けた中から5%ほど、高くても10%程度です。

ここで重要なのが両者には、毎日顔を合わせるか、インターバルを設けるかという違いです。受験勉強で言えば、週に何日間か家から塾に通うのが、コンサルタント。夏休みや冬休みに地方で「絶対合格!!」という旗を頭に巻いて合宿するのがアクセラレーターです。

そして期間だけではなく、ポジションという観点で言うとコンサルタントというのはスタートアップ希望者とあくまで「外部」という立ち位置でコンサルティングを行いますが、アクセラレーターというのは希望者にかなり近い立場で経営判断に関する助言を行います。アクセラレーターの方が希望者とより近い立場なので、スタートアップの成否を決める「運命共同体」なわけです。

渋谷と神戸のアクセラレーター

シリコンバレーにはスタートアップ・エコシステムが存在しています。スタートアップ・エコシステムとは、創業のために創業希望者だけではなく、コンサルタント、アクセラレーター、VC、銀行などの金融機関、弁護士や会計士などの専門家など様々な参加者が競合関係にありながらも、協調関係を保ち、スタートアップを生み出す仕組みのことです。

自身の利益を得ることが前提ながらも「スタートアップを成功させる」という共通目的があり、それぞれの役割を認識して活動することが日本にはまだない創業支援の特徴であると考えられます。

そして、繰り返しますがエコシステムの中で成否を決めるのはアクセラレーターです。

日本国内においても、渋谷や神戸、福岡がエコシステムの創出目指して街の再開発やアクセラレーターの誘致などを行っています。日本発のアクセラレーターがいまだ投資実績、投資金額、支援実績に乏しい状況であるため、シリコンバレーからの誘致を積極的に行っているのが現状です。渋谷と神戸で誘致をしたのが、以下であり、シリコンバレーで高い実績を誇っています。

渋谷Plug and Play
神戸500 Startups

若者の流入率の高い福岡のスタートアップの魅力と課題について書きました。

Plug and Playは正解最大のイノベーションプラットフォームであり、2006年の創立から70億ドルを超える資金調達を実現しているとのこと。エグジット(IPOやM&A)の成功例としてDropBoxが挙げられます。渋谷駅周辺の再開発に伴い、東急不動産が主体となって誘致が進められました。

500 Startupsは、神戸のスタートアップ事業の根幹となるアクセラレーションプログラムを担っています。資金調達額は80億円を超えています。

スタートアップ・エコシステムを生み出すためのキーマン的存在

キーマンとして最も重要なのはもちろんスタートアップ希望者であり、彼らが持ってくるアイディアです。しかし、アイディアを創業成功に導くためには彼らだけではなく、VCの投資や金融機関の融資で金があればいいというだけでもないのです。

スタートアップ希望者のアイディアを具体化し、市場にあったように修正を行い、一気にスケール化させるための資金提供を受けることを目的にVCをつなぐためにアクセラレーターが存在するのです。

そして、スタートアップ・エコシステムを生み出すためにも必要な存在であると言えます。

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